ミステリ羅針盤＃2
『21世紀バークリー問答〜今最も“現代的”な作家としてのバークリー・リヴィジッド（再考）』
　
　バークリーといえば、本格ミステリの重要作家としての認識は高かったものの、邦訳作品が極端に少ない“未訳の王者”的な存在でした。それだけに、1994年『第二の銃声』が「世界探偵小説全集」（国書刊行会）第一回配本として紹介された時には、長年の渇望を癒やす一冊として大喝采で迎え入られたものです。このブレイク以降、長年名のみ高かった未訳作品が堰を切ったように紹介され、昭和の頃の“未訳王”ぶりはすっかり解消された感があります。

　さて、こうしてほぼラインナップの全貌が見渡せるようになった現在、そろそろこの『アントニー・バークリーブームとは何であったのか？』を考えるべき時期が来たのではないでしょうか？　

　単なるレトロ趣味でしょうか？　それとも新本格というムーブメントを経た後、僕ら日本のミステリファンのロジック志向が、ようやくバークリーを楽しめる境地に達したからなのでしょうか？

　多重解決という、いかにもマニアが喜ぶひねくれた作品構造は、いまでこそミステリプロットの常套手段のひとつと考えられ、追随作も多いわけですが、なぜ昭和のミステリファンにはそれが受け容れられなかった（受け容れられないと考えて、翻訳に至らなかった）のか？　という歴史的問題も生じてきます。

　また、“信用出来ない探偵”ロジャー・シェリンガムの醸し出す捻くれたユーモアは、21世紀日本に生きる僕らにとって意外に身近な存在でもある気がします。万事に“ツッコミ”を入れ、“自虐的な伏線で常に行動に言い訳を準備”せずには居られない『ぼくら』の不安な皮膚感覚とのリンクーー今や作品執筆から一世紀を経て生じつつある、現代とのシンクロ問題なども考えてみたい。

　ゲストには近年の「バークリー・リバイバル」の仕掛け人として名高いフリー編集者の藤原義也さんと、かねてよりバークリー/アイルズ作品に見事な読みを披瀝してこられた若島正さんのお二人という奇跡的布陣が実現。硬軟織り交ぜながら、なぜバークリーは、ここまで愛されるようになったのか？　をいま改めて検証し、21世紀におけるアントニー・バークリーという作家の立ち位置を探っていきたいと思います。


　
　
[出演]　酒井貞道（書評家）、若林踏（書評家）
　
[ゲスト]　若島正（京都大学教授、翻訳家）、藤原義也（藤原編集室）

[日時]　2014年6月14日（土）　開場・19:00　開始・19:30　（約2時間を予定）

[会場]　新宿Live Wire Cafe　（Biri-Biri酒場 改め）
　　　　　東京都新宿区新宿5丁目11-23　八千代ビル2F　（Googleマップ）
　　　　・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6〜8出口から徒歩5分
　　　　・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
　　　　・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
　
[料金]　1500円　（当日券500円up）（前売り終了。当日券わずか）

※終演後に出演者を交えてのフリーフード＆フリードリンクの懇親会を開催します（23:30終了予定）。参加費は3000円です（当日参加は3500円）。懇親会参加者には、入場時にウェルカムの1ドリンクをプレゼント。参加希望の方はオプションの「懇親会」の項目を「参加する」に変更してお申し込みください。参加費も一緒にお支払いただきます。
※懇親会に参加されない方は、当日別途ドリンクチャージ1000円（2ドリンク）をお買い上げください。
※領収書をご希望の方は、オプションの「領収書」の項目を「発行する」に変更してお申し込みください。当日会場で発行いたします。
　
※ご注文者には整理番号をメールでご連絡します。
　お申し込み時に住所をご記入いただきますが、チケットの送付はいたしません。
　当日会場受付にて、名前、電話番号、整理番号をお伝えいただければ入場できます。
　
※満席の場合は、立ち見をお願いいたします。
　
※お支払い後のキャンセルは一切受け付けませんのでご注意ください。
　
※銀行振り込み決済の締め切りは6/13(金)午後3時、カード決済の締め切りは当日午前0時です。
　

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